看護師お悩み相談

主任を打診されました。現場が好きで、管理の仕事には気が進みません。断ってもいいのでしょうか【看護師のお悩み相談】

主任の打診と現場で続ける道を考える看護師、相談・回答の二つの吹き出し

相談内容

消化器外科病棟で働いて9年目です。先月、師長から「来年度、主任をやってほしい」と言われました。評価してもらえたことはうれしいのですが、正直なところ気が進みません。患者さんのそばでケアをしている時間がいちばん好きで、勤務表の作成や委員会、スタッフの面談に時間を取られる主任の姿を見ていると、自分がやりたい看護から離れてしまう気がします。子どももまだ小学生です。ただ、断ったら評価が下がるのではないか、後輩が先に主任になるのを見るのもつらいのでは、と考えてしまいます。断ってもいいのでしょうか。

※ 相談内容は、よく寄せられる悩みをもとに編集部で再構成したものです

編集部の回答(結論)

断って構いません。昇進の打診は命令ではなく、受けるかどうかはあなたが決めることです。ただ、決める前に、主任になると何が変わるのかを師長に具体的に確かめてください。「気が進まない」の中身が、仕事の内容なのか、時間なのか、責任なのかで、答えが変わります。条件を付けて受ける、時期をずらす、現場の専門性を伸ばす別の道を選ぶ、という選択肢もあります。

「断ってもいいのでしょうか」。先に答えます。断って構いません。打診は、あなたのこれまでの仕事への評価であって、受けなければならない義務ではありません。ただ、返事をする前に、確かめておくとよいことがあります。主任の仕事を外から見て想像している部分と、実際の中身は、違っていることがあるからです。この記事では、打診の理由、主任になって変わること、断り方と条件の付け方、現場に残る場合の道を順に整理します。

なぜ自分に声がかかったのか

まず、師長がなぜあなたに声をかけたのかを聞いてみてください。「どんな役割を期待していますか」と尋ねるだけで構いません。

答えは、いくつかに分かれるはずです。後輩の指導を任せたい。病棟の業務改善を進めてほしい。師長の不在時に判断できる人が必要。年次として順番が来た。理由によって、主任になったときに実際に担う仕事は変わります。

期待されている役割が、あなたの得意なことと重なっているなら、主任の仕事は想像しているより現場に近いかもしれません。 逆に、順番だからという理由であれば、断っても病棟が困る度合いは小さく、断りやすくなります。

主任になると、何が変わるのか

気が進まない理由を、具体的な項目に分けてみてください。そのうえで、それぞれを師長に確認します。

仕事の内容について。受け持ちは持ち続けるのか、減るのか。勤務表の作成、委員会、面談は、どのくらいの時間を占めるのか。病棟によって、主任がほぼ現場に入っているところも、管理の仕事が中心のところもあります。

時間について。会議や書類の作業は、勤務時間の中でできるのか。時間外になる場合、その扱いはどうなるのか。お子さんが小学生であれば、帰る時間が遅くなるかどうかは大事な条件です。

待遇について。役職手当はいくらか。時間外手当の扱いは変わるのか。役職が付くと時間外手当が出なくなる、という運用をしている職場もあります。手当が増えても、時間外の扱いが変わって実質の収入が下がる、ということがないかを確かめてください。

夜勤について。主任になると夜勤の回数が変わる病棟もあります。回数が減れば夜勤手当も減ります。

これらを聞いたうえで、「気が進まない」の中身がどれなのかを見直してみてください。内容が合わないのか、時間が取れないのか、責任が重いのか。理由がはっきりすると、断るにしても受けるにしても、言葉にしやすくなります。

断る場合の伝え方

断ると決めたら、早めに、理由を添えて伝えます。

「評価していただいてありがとうございます。ただ、いまは患者さんのそばでのケアに力を注ぎたいと考えています。子どもがまだ小学生で、時間外の業務を引き受けにくい事情もあります。今回はお受けできません」。感謝、理由、結論の順に話すと、角が立ちにくくなります。

評価が下がるのではないかという心配について。昇進を断ったことを理由に、不当に低い評価をすることは、適切な人事とは言えません。ただ、「管理職を目指す人」としての評価の軸からは外れることになります。それは不利益というより、進む道が分かれたということです。

後輩が先に主任になることについては、あらかじめ自分の中で整理しておくとよいでしょう。あなたが選んだのは、役職ではなく現場の看護です。後輩が主任になったとき、その人を現場から支えられるのは、経験のあるあなたです。

条件を付けて受ける、時期をずらす

二択で考える必要はありません。

条件を付けて受ける方法があります。「受け持ちを持ち続けられるなら」「委員会の数を絞ってもらえるなら」「定時で帰れる日を週に何日か確保できるなら」。**条件を出すことは、わがままではありません。**引き受ける側が続けられる形を示すことは、病棟にとっても意味があります。

時期をずらす方法もあります。「子どもが中学生になる2年後であれば、お受けできると思います」。いまは難しいが将来は考えている、と伝えておけば、関係を保ったまま断れます。

現場に残りながら役割を広げる

主任にならないことは、成長を止めることではありません。

現場の専門性を深める道があります。認定看護師や専門看護師などの資格、特定の領域の研修、後輩の指導役、退院支援や在宅との連携の担当。役職とは別の形で、病棟の中での役割を広げることができます。

看護師の収入は、役職に就くか、専門性で手当を得るか、働く場所を変えるかで変わります。その構造は看護師の給料はなぜ頭打ちになるのかで整理しています。主任を断る場合、収入の面で何を選ぶかも、あわせて考えておくとよいでしょう。

9年目で主任の打診を受けたということは、病棟があなたを必要としているということです。その評価を、役職という形で受け取るか、別の形で受け取るかは、あなたが決めて構いません。

同じ状況にいる方へのチェックリスト

  • 師長に、自分に期待している役割を具体的に尋ねたか
  • 主任になった場合の受け持ち、委員会、勤務表作成の負担を確認したか
  • 役職手当の額と、時間外手当の扱いが変わるかを確認したか
  • 夜勤の回数と、夜勤手当への影響を確認したか
  • 「気が進まない」理由を、内容・時間・責任に分けて書き出したか
  • 断る場合の伝え方を、感謝・理由・結論の順で用意したか
  • 条件を付けて受ける案、時期をずらす案を検討したか
  • 主任以外で役割を広げる道(資格、指導、専門領域)を調べたか

制度や規定に関する記載は一般的な説明です。詳細は勤務先の規定や専門家にご確認ください。

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白衣キャリア編集部

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