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看護師の夜勤は月何回までか|法律に上限はない。日本看護協会のガイドラインが示す「月8回・勤務間隔11時間」の基準

夜の病棟で月間の夜勤回数と勤務間隔を確認する看護師

今月の夜勤は9回。来月は10回入っている。これは多すぎるのではないか、法律に違反していないのか。勤務表を見てそう感じたことのある看護師は多いはずです。先に事実を書きます。看護師の夜勤の回数について、法律で定められた上限はありません。 ただし、目安になる基準はあります。日本看護協会が公表しているガイドラインです。この記事では、法律が定めていることと定めていないことを分けたうえで、ガイドラインの11の基準を確認し、自分の勤務表をどう点検すればよいかを整理します。

看護師の夜勤について、勤務間隔11時間以上、拘束時間13時間以内、3交代の夜勤月8回以内、連続夜勤2回まで、連続勤務5日以内という主な目安をまとめた図

法律が定めていること、いないこと

労働基準法には、夜勤の回数を直接制限する定めがありません。定められているのは、次のような枠組みです。

労働時間は、休憩時間を除いて1週間に40時間、1日に8時間が原則です(同法32条)。これを超える場合は、労使協定と割増賃金が必要になります。一定期間を平均して週40時間に収める変形労働時間制(同法32条の2など)を採用している職場では、1日8時間を超える勤務を組むことができます。16時間の夜勤が組めるのは、この仕組みによります。

休憩は、労働時間が6時間を超えれば45分以上、8時間を超えれば1時間以上です(同法34条)。午後10時から午前5時までの深夜に働いた分には、割増賃金が支払われます(同法37条)。

深夜に働くこと自体が制限されるのは、18歳未満の人(同法61条)と、請求した妊産婦(同法66条)、小学校就学前の子を育てていて請求した人(育児・介護休業法19条)などに限られます。育児を理由とする夜勤免除については育休明けの夜勤免除ができない理由は?で整理しています。

つまり、月に何回まで、という数字は法律のどこにも書かれていません。 週40時間の枠に収まっていれば、夜勤が月10回でも、それだけで法律違反にはなりません。

日本看護協会のガイドラインが示す11の基準

法律に上限がない中で、目安として広く参照されているのが、日本看護協会の「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」です。勤務編成の基準として、次の11項目を挙げています。

項目基準
勤務間隔勤務と勤務の間隔は11時間以上あける
勤務の拘束時間13時間以内とする
夜勤回数3交代制勤務は月8回以内を基本とし、それ以外の交代制勤務は労働時間などに応じた回数とする
夜勤の連続回数2連続(2回)までとする
連続勤務日数5日以内とする
休憩時間夜勤の途中で1時間以上を確保する
夜勤時の仮眠夜勤の途中で連続した仮眠時間を設定する
夜勤後の休息2回連続夜勤後にはおおむね48時間以上を確保する。1回の夜勤後もおおむね24時間以上が望ましい
週末の連続休日少なくとも1か月に1回は、土曜・日曜ともに前後に夜勤のない休日をつくる
交代の方向正循環の交代周期とする
早出の始業時刻7時より前を避ける

出典: 日本看護協会「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」

「月8回」という数字には経緯があります。ガイドラインによれば、看護職の夜勤回数について公的な目安として存在するのは、1965年に出された「夜勤は8時間3交代勤務において、2名、月8回以内を基本とする」という、いわゆる2-8(ニッパチ)です。半世紀以上前の目安が、いまも基準の出発点になっています。

このガイドラインは、法律ではありません。守らなかった病院に罰則があるわけではなく、ガイドライン自身も、11項目すべてを一度に満たさなければならないものではないとしています。それでも、看護職の団体が労働科学の知見をもとに示した基準であり、「うちの勤務表は妥当なのか」を考える物差しになります。

2交代制の場合

注意が必要なのは、2交代制で働いている場合です。

「月8回以内」は、3交代制についての基準です。2交代制などそれ以外の勤務については、ガイドラインは回数を数字で示さず、「労働時間などに応じた回数」としています。16時間夜勤1回は、8時間の準夜勤・深夜勤の2回分に近い長さです。3交代の月8回をそのまま当てはめて「2交代でも8回まで大丈夫」と読むことはできません。

さらに、16時間の夜勤は、拘束時間を13時間以内とする基準を、それだけで超えています。2交代制の病棟で働いている人は、回数だけでなく、1回の長さ、仮眠が実際に取れているか、夜勤明けの休息が確保されているかを、あわせて見てください。

自分の勤務表を点検する

来月の勤務表を出して、次の点を確かめてみてください。

  • 夜勤の回数。3交代なら月8回を超えていないか
  • 勤務と勤務の間隔。日勤のあとすぐ深夜勤に入る組み方になっていないか(11時間あいているか)
  • 夜勤の連続。3回以上続いていないか
  • 連続勤務の日数。6日以上続いていないか
  • 夜勤明けの休み。2連続夜勤のあとに、2日分の休息があるか
  • 土日の連休。月に1回は、前後に夜勤のない土日の休みがあるか

基準から外れている項目があれば、それが師長と話すときの具体的な材料になります。 「夜勤が多くてつらい」と伝えるより、「日勤から深夜勤への間隔が8時間しかない日が月に4回あります」と伝えるほうが、勤務表を組む側は動きやすくなります。

夜勤の負担が特定の人に偏っている場合は、それ自体が病棟の配置の問題です。育児や体調の事情で夜勤を減らしたい場合の伝え方は育休明けの夜勤はどうする?に、夜勤のない働き方は夜勤なしで働きたい看護師の選択肢にまとめています。

転職を考えるときは、求人票の「夜勤月4〜5回」という数字だけでなく、実際の勤務表を見せてもらえるかを確かめてください。回数、間隔、明けの休みは、勤務表を見ればわかります。

よくある質問

夜勤が月10回あります。違法ですか

夜勤の回数そのものを制限する法律の定めはないため、回数だけで違法とは言えません。ただし、労働時間が法定の枠を超えていないか、割増賃金が支払われているか、休憩が取れているかは、法律上の問題になります。日本看護協会のガイドラインに照らすと、3交代で月8回を超える状態は基準から外れています。

夜勤の回数を減らしてほしいと言ってもいいですか

言って構いません。その際は、ガイドラインの基準と自分の勤務表を照らし、どの項目が外れているかを具体的に示すと伝わりやすくなります。育児や介護など、法律上の請求ができる事情がある場合は、その制度を使う方法もあります。

2交代制では、夜勤は月何回が目安ですか

ガイドラインは、2交代制など3交代制以外の勤務について、回数の数字を示していません。「労働時間などに応じた回数」としています。1回が長い分、3交代の月8回をそのまま当てはめることはできません。回数に加えて、拘束時間、仮眠、夜勤明けの休息を合わせて見てください。

まとめ

  • 看護師の夜勤の回数に、法律上の上限はない。法律が定めているのは、労働時間、休憩、深夜の割増賃金の枠組み
  • 日本看護協会のガイドラインは、3交代制は月8回以内、勤務間隔11時間以上、拘束13時間以内など、11の基準を示している
  • 「月8回」は3交代制の基準。2交代制には数字が示されておらず、3交代の回数をそのまま当てはめることはできない
  • ガイドラインは法律ではないが、勤務表が妥当かを考える物差しになる
  • 自分の勤務表を、回数、間隔、連続回数、明けの休み、土日の連休で点検し、外れている項目を具体的に伝える

参考にした一次資料

本文のガイドラインと条文は、これらの原典を編集部が直接確認したうえで引用しています。

制度や規定に関する記載は一般的な説明です。詳細は勤務先の規定や専門家にご確認ください。

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